広告コピーは機能しなければお金の無駄。でなければエンタメ。

コピーライターとしては見逃せない記事を発見しました。もし、あなたが広告代理店に無駄な広告費を払いたくないと思っているなら、まずは目を通してみてほしいと思います。

TCC賞で考えた、広告の機能とポエム化
コピーライターの世界は、なぜ胡散臭いのか? 改めて、機能する言葉を

でもお忙しいあなたのために要約すると・・・

  • TCC賞と呼ばれる広告コピーの賞で受賞した作品に、知っている作品がほとんどなかった
  • 広告コピーがポエム化してきているのではないか?
  • 受賞した作品は広告として機能したのか?
  • コピーライターのレベルが落ちてきているのではないか?
  • TCC賞は内輪の賞ではないか?

というような感じです。

ぼくはセールスコピー専門なので、ここで受賞したような広告コピーとはだいぶ畑が違います。まぁそれはさておき、あなたのビジネスにおいても広告は重要な役割を果たすはずですので、ここで問題提起されていることは他人事ではないはずです。

広告をつくろうとしたとき、広告代理店が提案してきた広告は本当に意味があるのか? 機能するのか? お金をドブに捨てることにならないか? その判断基準を持っていなければならないからです。

ちなみに、ポエム化とは?

なみに、ポエム化とはどういう意味で使われているのでしょうか?「ポエム化」は良い意味で取られることはありません。批判的で、皮肉のこもった言葉です。ぼくがポエム化という言葉を知ったのは、ブラックな職場に関して取り上げているコンテンツでした。元は NHK のクローズアップ現代の特集で、その後ネットでも拡散しました。

ポエムとは耳障りの良い言葉のことです。夢・感謝・仲間・感動・やりがい・成長などの言葉で、どんなに悲惨な労働環境にあっても頑張ってもらう。過酷な労働を強いるための手段として用いられている実態が異様だと話題になっていました。

特に年収 200 万円代の若い世代に支持されていると言います。現実を直視せずに聞こえのよい言葉で、現実や自分の状況をなんとか肯定する、肯定したい、という思いがあるのだと思います。

本題の広告に関して。広告にもポエム化の流れが来ていると。そして、曖昧であやふやで、意味があるのかないのか分からない言葉を使っていて、本当に機能しているのか? という問題提起だと思います。

広告は機能しなければエンタメ

ず、前提として広告の目的はなんでしょうか? 認知度を上げる、ネットで拡散させる、見込み客を集める、商品を販売する。色々な目的が考えられます。もし、これらの目的に合致する広告をつくろうと思うのなら、ポエム化広告はやはり機能しないでしょう。

ポエム化広告には反応する理由がないからです。その広告を見て、今すぐ行動を起こさなければならない理由がないからです。機能する広告とは、10万円広告費をかけたら、15万、20万、50万、100万の売上を立ててくれる広告のことです。

ポエム化した広告というのは、このような結果が分かりにく広告です。この広告によっていくらもたらされたのかが計測しにくい、もしくはできません。「なんかいい」「オシャレ」「面白い」などのインパクトを与えたり、良いイメージを植え付けたり、楽しんでもらうという目的は果たせるかもしれませんが、そうなるとそれはエンターテイメントと言った方が適切なのではないでしょうか?

その広告は機能しているのか? 今一度確認して欲しい

告を出すからには、何らかの効果を期待しているはずです。中にはバカな経営者が、自己満足のために広告を打つなんてケースもあるようですが、あなたはそうでないと信じます。しかし、ポエム化した広告なんて、所詮自己満足のためのものなのではないかと思ってしまいます。その理由は、、、

ポエム化広告が機能しない理由1)オファーがない

大企業ならいざ知らず、スモールビジネス、中小企業、零細企業が広告を打つ目的は、「集客」か「販売」以外にはありません。それ以外を目的とするのは、費用対効果が合わないと言われています。かけた分のコストに見合う効果があがるのかどうか、それが重要です。

そして、集客か販売につながる広告にはオファーが必要です。オファーとは提案のこと。お客さんに対して何を提供するのか、どんな取引をするのか、どんなメリットを提供するのか、ということです。オファーが無ければお客さんはその広告に反応する理由がありません。語感のいいキャッチコピーを読んで、「なんかイイ感じ」では機能したとは言えないのです。

オファーの無い広告は出すだけ無駄です。魅力的なオファーをつくり、必ずオファーが分かるような広告にしましょう。

ポエム化広告が機能しない理由2)商品購入後の変化が分からない

人が商品にお金を払うからには、そこに何か期待するもの、求めているものがあるはずです。それがベネフィットです。ベネフィットとは商品購入後の変化のことです。しかもネガティブ変化ではなくポジティブな変化です。ポエムでは、その変化が伝わりません。漠然としていて、変化がイメージできないのです。

自分がどうなるのか、どんなメリットを手に入れることができるのかが分からないものに、お金を払ってはくれません。それが伝わらないものは、無料であっても反応してくれないのです。

機能する広告はベネフィットを伝えています。どんな変化があるのか、それをはっきりと伝えましょう。

ポエム化広告が機能しない理由3)抽象度が高い

ポエム化広告に使われている言葉は、その多くが曖昧で抽象的な言葉です。抽象的な言葉は受け手によって解釈が異なります。解釈が異なるとどうなるのか? それは、メッセージが伝わらないということになります。冒頭で紹介した記事にもこのようにありました。

そう、ポエムかどうかを決めるのは受け手なのである。そして、「伝える」と「伝わる」は違う。前のエントリーでも問題提起したことだが、機能することが大事なのである。「伝わる」ということは機能しているということだ。

そして、言葉の中で最も誤解なく伝わるのは「固有名詞」です。その中でもさらに誤解が生まれないのは「数字」でしょう。「車」という言葉はまだ漠然としていますが、「プリウス」と言えばだいぶ具体的になります。「多くの方に好評頂いています」では解釈に差が出ますが、「253 人中 217 人が ★ 5 つの評価をしてくださっています」だと解釈ではなく事実を伝えることができます。

広告コピーを考える際は、できるだけ具体的にできないか? 解釈に差の出ない言葉・表現はないかを考えましょう。

広告とは印刷されたセールスマンシップ

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広告の歴史を変えた男と言われるジョン・E・ケネディは、「Advertising is salesmanship in print.」、つまり「広告とは印刷されたセールスマンシップである。」と言いました。それまでアメリカでは広告とはニュースであると思われていました。もちろん、その定義が無くなったわけではないのですが、より適切な定義として、広告とは紙のセールスマンであることが認知されています。

つまり、広告はセールスマンとしての役目を果たせていなければならないわけです。エンターテイメント的な広告、つまりポエム化した広告がダメという意味ではありません。ただ、目的を間違うとただの自己満足に終わります。

セールスマンも、最初にお客さんの心をつかむためにエンタメ要素を会話に盛り込むことはあります。しかし、それだけでは売れないのです。売上に貢献できないポエム化広告は中小企業が参考にしていい広告ではないのです。