スタバはコーヒーショップではないということを目の当たりにした話

福岡のスタバより

スタバにいます。図書館に立ち寄った後、広告コピーの原稿の最終チェックをするために、近くにあったショッピングモールの中にあるスタバに入りました。

モールの角に位置するこのスタバは歩道や道路に面していて、ガラス張りの壁に囲まれています。時間は午後7時過ぎ。外は暗く光は入ってきません。店は奥に長い造りになっているため、奥に行く程モールの雰囲気を寄せ付けず、全体として落ち着いた雰囲気を保っています。

細長い店内の中央には長いソファー席があります。長いソファーの前には丸いテーブルが6つくらい、その向かいに椅子が1つずつ置かれています。既に3席は埋まっていました。みなソファー側です。ぼくもソファー側に腰を下ろしました。入口側に近い端っこの席です。

反対側の端っこには、iPadに付属のキーボードを取り付けて何やら仕事をしている人がいます。ぼくは鞄の中からMacBook Airを取り出し立ち上げました。注文したコーヒーを一口飲んでちょっと落ち着いた後、早速原稿のチェックに取りかかります。A4サイズで45ページ。1時間くらいはかかりそうです。

それにしても、注文したコーヒーはとても甘いです。新作のコーヒーのようです。商品名は忘れてしまいましたが、ブラウニーやナッツが入っています。

2人組の女の子が来店して…

カフェに女子

くが座ったソファーの向かいには、通路を挟んで2人掛けのテーブル並んでいます。ガラス張りの壁に面している席で、椅子も壁に向かってハの字に配置されています。ぼくが来た時は、40代くらいと思われる男女のペアが座っていましたが、しばらくして店を出たかと思うと、今度は20代前半くらいの女子のペアに代わりました。

原稿チェックが半分ほど終わった頃、突然その2人から歓声が上がりました。2人の間にはスタバの店員さんもいます。みなガラス張りの壁に向かっているので、ぼくの席からは3人の背中しか見えません。具体的に何が起こっているのかは分かりません。ただ、しきりに女の子たちが「ありがとうございます。」と「ほんとにうれしい。」を繰り返しています。

しばらくすると、店員さんがテーブルを離れました。そのため、女の子2人の間からテーブルの上が見えるようになり、そこ置かれているスタバのコーヒーとケーキセットが目に入ってきました。

どうやら届けられたコーヒーが、誕生日仕様になっているようです。コーヒーを入れる紙のカップがあると思いますが、そのカップに手書きのHappy Birthdayの文字がでかでかと書かれているのが見えます。さらに、電球が光るタイプのロウソクのおもちゃ。ケーキも付いていて、乗っているお皿には何かメッセージが書かれているのが分かります。

どうも片方の子が密かにオーダーしていたみたいです。いや、会話の内容は聞こえないので想像の域をでませんが、左側の子が右側の子に「ありがとう」と言っているようだったので、おそらくそういうことでしょう。サプライズも加わって相当嬉しそうです。

スタバってこんなこともやってくれるんですね。

体験価値をプラスする

プレゼントを渡す女性

タバのコーヒーが入っている紙のカップは、普通飲み終わったら捨ててしまうと思いますが、おそらく手書きでHappy Birthdayと書かれたそのカップは、捨てられることなく持ち帰られるでしょう。部屋に飾られることになるかもしれません。いつもは捨てられるはずの紙のカップが、部屋に飾られるかもしれない程価値を持ったものに早変わりです。

誕生日だからといってコーヒーの中身は代わりませんよね。彼女たちが飲んでいるコーヒーそのものが特別なわけではありません。手書きのメッセージや、ケーキ、ちょっとした小物による演出、そういったことで得られる体験が特別なのであって、それはちょっとした事で生まれた価値です。レストランや居酒屋では当たり前に行われるようなことでも、スタバで行われるとまたちょっとひと味違います。

どんな商品・サービスでも体験を売る事ができるはずです。と言うか、基本的には商品・サービスを通して得られる体験を求めているのがお客さんです。商品・サービスはそれを実現するための手段にすぎません。商品・サービスはもちろん、お客さんやスタッフを通して作り上げる体験は、唯一無二の価値になりえます。

あなたの商品やサービスでも、そんな体験を売る事とそんな体験が手に入る事を、メッセージとして伝えていってはいかがでしょうか?