人が商品を選ぶ時 ~選挙結果と商売~

選挙が終わりましたね。

自民党が圧勝しました。
絶対安定多数の議席を獲得しています。

以前、ニュースレターの中で、「人は選択肢が多くなると決められなくなる」という実験結果をご紹介したと思います。(ジャムの実験です)政党が多すぎて選べないですよね〜と。

案の定、今回は投票率が悪かったようですね。報道によると戦後最低ということでした。

政党が多すぎた事。そして基準がはっきりしなかった事が、投票率の低い原因ではないかと思います。消費税が争点だと言っているところもあれば、原発が争点だと言っているところもある。TPPが争点だと言っているところもあれば、憲法が争点だと言っているところもある。

なんにせよ、有権者としては分りにくい選挙でした。

(蛇足)
ちなみに、これは政治家が悪いとは思いません。争点がたくさんあるのは当然です。問題がそれだけたくさんあるので無視するわけにはいきません。問題は有権者が吟味する知識も時間も興味も持っていない、ばらけているという点だと思います。

そうは言っても、どこか選ばなければ選挙が成り立たないわけで、Aもダメ、Bはもっとダメだった・・・じゃあC、D、E、F、G・・・K、L、どれにしたらいいんだろう?となった場合に、C〜Lの中から選ぶのは至難の業です。

となると必然的に「Aでいいや!」となってしまう気がします。

感情で選んでしまうぼくたち

もうひとつ、今回自民党が圧勝した背景、とりわけ安倍さんに人気が集まったように感じる背景には、中国や韓国との関係悪化があるはずです。そして、それに対する国民感情は「国を守る」という安倍さんの姿勢に共感したのではないでしょうか?

人が行動する感情的な理由は大きくふたつあって、ひとつは得たい欲求、もうひとうは避けたい欲求です。そして、もっと本質的に表現するなら、得たい欲求は生きること、避けたい欲求は死を避けることにつながります。

さらに欲求の強さでいうなら、避けたい欲求の方が強いのです。そのため、変化を嫌いますし、失う事を恐れますし、何かをして得られるものよりも、何もしないで(もしくは何かをして)失わないようにする事の方が重要なのです。

そういう点で、今の中国や韓国の姿勢は、日本人の “避けたい欲求” を非常に刺激しています。かつ、人間はまず感情があって、そこに理屈が乗っかって行動する生き物です。欲求が先にあって、そこにもっともらしい理由を後付けするのです。

人が何かを買うときは、「感情で欲しくなり、理屈で正当化する」というのが、広告関係者やマーケターの間では常識とされています。そのため、まずは感情を刺激して欲しくなってもらう必要があります。そこに、買うべき正当な理由を提示してあげることで、人は購買行動を起こすのです。

例えば、どんなに欲しいものがあっても、奥さんに説明できるちゃんとした理由がないとなかなか買うまでには至りませんよね?つまりそういうことです。

理由があるだけで人は動く?!

では今回の選挙はどうだったでしょうか?

日本人の感情を刺激する材料はたくさんありました。中国や韓国はどんどん燃料を投下してくれます。火がつくどころじゃなく、爆発しそうでした。もう1年くらいまえなら、原発が国民の感情を一番刺激していたと思います。その時の選挙ならまた違う結果になったでしょう。

まぁそんなことを言っても仕方ないのですが、とにかく、安倍さんを支持する感情的な理由は十分でした。

では理屈はどうでしょうか?

実は、こんな実験があります。

ある大学で、コピー機を使うのに列をなしている学生に向かって、次のように質問しました。「先にコピー機を使わせてくれませんか?」結果、60%の人が了承してくれました。次に「急いでいるので、先にコピー機を使わせてくれませんか?」と聞くと、94%の人が了承してくれたのです。

なるほど、理由があるだけでこんなに違うのか、という結論になりそうですが、実はそうではありません。もうひとつ、別のパターンの質問があります。それは「コピーを取らなければならないので、先にコピー機を使わせてくれませんか?」というものです。

この場合も、なんと93%の人が了承してくれたのです。つまり、理由の中身は重要ではない、理由は何でもいいということが分ります。

この結果が多くの場合にも当てはまるのなら、感情的な動機が十分あれば、理屈や理由の中身はどうでもいいということなります。理屈が通っていようがいまいが、とりあえずあればいいということになります。

今回の選挙結果も、感情ありきだったのではないかと思うのはぼくだけでしょうか?

なにはともあれ、世の中を動かすのは政治だけではないですからね。お客さんに価値を与え、売上を上げ、社会に貢献していけるようにビジネスを成長させていきましょう。

 

追記

今回の選挙から得られる商売において重要な教訓が3つあります。

1.人は選択肢が多すぎると決められない

選択肢を絞りましょう。
商品ラインナップを絞りましょう。

2.感情で欲しくなり、理屈で正当化する

感情に訴えましょう。
感情を満たしてあげるようなアプローチはないか、商品・サービスの切り口を考えてみましょう。

3.理由は、ただあるだけで効果的

何をするにも理由を考えましょう。
商品やサービスをリリースする理由、割引をする理由、どんなくだらない理由でも付け加えてみましょう。