佐村河内氏の嘘に学ぶ広告の鉄則-売れる商品には物語がある-

最近ネットで話題になっているのが、耳の聞こえない作曲家、佐村河内守さんの件です。聴覚障害がありながらも、クラシックでは異例のヒットとなる交響曲を作曲したとかで、その人物像も相まってそれなりに有名な方のようです。ぼくも「交響曲第1番HIROSHIMA」という名前は聞いたことありましたが、作曲家のことは知りませんでした。NHK スペシャルにも出ていたらしいですよ。

今回の事件は色々な点が問題になっていて、そもそも別人が作曲していたこと、もしかしたら聴覚障害というのは嘘かもしれないこと、NHK などのメディアが気付かなかったこと。また、作曲者が事実と異なろうと、楽曲自体は変わらない中、楽曲そのものの評価はどうなるのか、などの議論にまで発展していますね。

人は物語(ストーリー)に価値を感じる

まぁそういう善悪の判断とか、正誤の判断とかは専門家に任せるとして、ぼくが興味を持ったのはこの記事です。

作曲家の”嘘”と視聴者の期待

ちょっと引用しますと、、、

ニュースのブックマークコメントを見ると、「客が音でなく物語を消費している」「モノを物自身の価値でなく、付加価値(この場合はストーリー性)有りきで消費する」といったコメントに賛同者が多い。

(中略)

芸術はもともと富裕層や一部の知的階層の変態じみた趣味嗜好であったりするわけだが、それを裾野に広く啓蒙するにあたっては”深イイ話”とのセット売りが好まれる。

「個人主義」以下のこうした主題は、今ではありとあらゆるところでポエム化し、J-POPでも消費されている。その分、人々に芸術をアピールする際にも「使える」ということなのだろう。仮に本体が凡庸でも、おまけが豪華(に見える)なら売れる。

つまり、お客さんは商品そのものではなく、その商品の背景にある物語にも価値を感じているということです。そして、それが商品の価値を思いのほか大きく左右する・・・。ここでは音楽や芸術に関しての言及にとどまっていますが、実際はあらゆる商品・サービス、果ては人にまで当てはまります。人が物語を求めるのは、もはや本能なんでしょう。

広告は物語とセットで商品のストーリーを語ろう

ストーリーテリング
れはとても大事な原則です。商品を売る時、広告をつくる時、何かストーリーは無いか探してみてください。商品開発秘話なんてのは一番使いやすいストーリーの 1 つです。なぜその商品を作ろうと思ったのか? どういう経緯でその商品完成までに至ったのか? 開発の中でどんな人と出会い、どんな困難があり、どうやって乗り越えたのか? そこにはどんなこだわりがあるのか? このような話を盛り込んでいくことで、人が持つセールスに対する抵抗を抑えるという効果があります。

他にも、お客さんの体験談もよいストーリーの材料になります。1 人のお客さんに絞って、その人が商品と出会ってから、実際に購入し変化を体験する流れを物語にします。ただの売り込みなんですが、なぜかストーリー仕立てにすることで人が注目してくれる、読んくれる、聞いてくれる。しかも、その中で商品のメリットまで伝えることができるというとても協力なセールスツールになります。

フィクションでも OK です。今回の騒動は虚偽ということで問題になっているわけですが、誇大広告や虚偽広告にならない範囲で、フィクションを物語るのもありだと思います。フィクションで思い出すのは進研ゼミですかね。あの DM に同封されている漫画です。落ちこぼれの主人公が進研ゼミに出会って、最後には成績も部活も恋愛も成功するというあの華々しいストーリーです。

ちょっとしたエピソードでも十分

トーリーや物語というと、とても敷居が高いように感じませんか? 登場人物がいて、起承転結があって、何かびっくりするような展開がないといけない……みたいに思いませんか? でもそんな本格的なものじゃなくても大丈夫です。ちょっとしたエピソードで十分。作物なら、種まきから収穫、出荷の流れを語るだけで商品が魅力的に映ります。

その中でちょっとしたこだわりを盛り込めればベストですが、ただ普通のことでもかまいません。当たり前のことでも詳細に語ることがポイントです。特に周りのライバルが言っていないことならぜひお客さんに伝えましょう。自分では当たり前のことでも、お客さんからしてみれば、ここまで手間暇かけているのか! という印象を持つものです。それが商品の価値を高めてくれます。

ぜひ背景を語りましょう。同じ様な商品が溢れる中で、唯一違いをつけられるとしたら、それは背景にある物語なのではないでしょうか?